フォントニュースの中でも異例の注目度!
2025年4月、Adobe FontsにMonotype社の欧文フォントが一気に数百書体追加されるという、デザイン業界にとってかなりワクワクするニュースが飛び込んできました。
Monotypeといえば、HelveticaやAvenirなど、世界中のデザイナーに愛されてきた定番フォントの生みの親。これまでは単体で購入・ライセンス契約が必要だった書体が、なんとAdobe Creative Cloud(Adobe CC)ユーザーであれば追加料金なしで商用利用OKになったんです。これはかなり嬉しいニュースですよね。
デザイン初心者の方には、「聞いたことはあるけど、まだ使ったことがない」フォントかもしれませんが、プロのデザイナーとしては「これはもうすぐ使うレベル」の価値あるアップデート。今回は、その中でも特に注目すべきフォントをピックアップしてご紹介します。
Adobe Fontsに追加されたMonotypeフォントの注目ポイント
有名フォントが無料で使えるようになった!
今回追加されたのは、Monotype社の代表的な欧文フォントを中心に、実用性・完成度の高い書体ばかり。これまで1書体あたり数千円〜数万円のライセンスが必要だったフォントが、Adobe Fontsで自由に使えるようになったことで、デザインの幅が格段に広がります。
私もこれまでこつこつ買い揃えてきた書体ばかりなので、これからAdobe Fontsで自由に利用できるのは少し羨ましいです。
商用利用OK!ライセンスを気にせず使える
Adobe Fontsの魅力のひとつは、すべてのフォントが商用利用可能であること。企業ロゴや広告、Webデザイン、パッケージデザインなど、どんな場面でも安心して使えます。
アクティベートは簡単!Creative Cloudからワンクリック
使いたいフォントは、Adobe FontsのWebページやCreative Cloudアプリからワンクリックでアクティベートできます。面倒なインストールやライセンス登録も不要です。
Monotypeとは
Monotype(モノタイプ)って見たり聞いたりしたことはあるけど実際なんだろう、という方も多いかもしれませんが、デザイン業界ではかなり有名な名前です。そこで、Monotypeの基本を初心者でもわかるように、私の視点からサクッと説明しようと思います。
Monotypeは、フォントの制作と販売を行っているアメリカの企業で、世界中で使われている多くの書体を提供しているんです。もともとは、活版印刷の技術を革新したことで知られている企業なんですが、現在ではデジタルフォントの分野で非常に強い存在感を持っています。
特に、Helvetica(ヘルベチカ) や Avenir(アヴェニール)、Frutiger(フルティガー) など、デザイン業界の定番中の定番フォントを生み出した会社として有名です。これらのフォントは、シンプルでありながら美しく、非常に高い可読性を誇ります。だからこそ、どんなデザインでもぴったりフィットする、プロの鉄板の書体なんです。
例えば、広告、ウェブデザイン、ブランドロゴ、書籍など、さまざまな媒体で見ることができる「王道フォント」はほぼMonotypeが関わっています。だから、Monotypeのフォントはただ「見た目がカッコいい」というだけじゃなく、デザインの幅を広げるためにも重要な要素なんです。
そして今回、Adobe FontsにMonotypeのフォントが追加されることで、Adobe Creative Cloud(Adobe CC)のユーザーは、以前はライセンスを購入しないと使えなかった高品質なフォントが、追加料金なしで使えるようになったんです!これって、デザイナーにとってはめちゃくちゃ嬉しいニュースですよね。
要するに、Monotypeは「デザインに欠かせないフォントを作ってる超有名企業」で、そのフォントはシンプルで使いやすく、どんなプロジェクトでも間違いなくデザインの底上げをしてくれる超優秀なものばかりです。初心者でも、プロのデザイナーでも、絶対にチェックしておくべき存在だと思います!
絶対チェックすべき超有名・王道フォント
さて、ここからは早速、プロの現場でも頻繁に使われる定番中の定番をご紹介します。初心者の方もまずはここから覚えると、フォントの選び方がぐっと楽になりますよ。
Helvetica(ヘルベチカ)

リリース年:1957年(オリジナルは1950年代)
デザイナーなら一度は聞いたことがある「Helvetica」。クリーンでニュートラルな印象から、多くの企業ロゴや公共サイン(ニューヨーク地下鉄など)で採用されています。ブランドロゴ、UIデザイン、雑誌などあらゆる媒体で使える万能な書体です。
Helvetica Neue (ヘルベチカ・ノイエ)

リリース年:1983年
Helveticaの現代改訂版。可読性の向上と統一感ある造形で、ブランドロゴ、企業資料、UIデザインにも最適です。
汎用性と信頼感を両立した、まさに欧文フォント界の王者。
Helvetica Neueは、オリジナルのHelveticaを現代的にアップデートしたバージョンです。基本的には、既存のHelveticaフォントをベースにしたデザインの改良版です。
Avenir Next(アヴニール・ネクスト)

幾何学的で整った字形と、丸みのあるやわらかい印象が特徴。洗練されたモダンなデザインにぴったりで、ファッション系、コスメ、Webデザインなどにおすすめ。Avenirの進化系としてバランスが取れており、視認性もばっちりです。
Myriad(ミリアド)

Apple製品やAdobeのブランドで使用されてきたサンセリフ。人間味のあるやわらかなシルエットが特徴で、Frutigerの代替としても十分に活躍。親しみやすく、印象の良いデザインに仕上げたいときにおすすめです。
Univers Next(ユニバース・ネクスト)

元祖「情報設計に強いフォント」。鉄道の案内板や地図、UIなど情報密度の高い場面で特に活躍します。
Next版ではファミリー展開が豊富で、数十種のウェイトや字幅のバリエーションで表現力がさらにアップ。
FF DIN(エフエフ・ディン)

日本のWeb・グラフィックデザイン界で超人気のDIN。工業規格フォントをルーツに持ち、無駄を削ぎ落とした均整の取れた構造が特長です。建築、テック、プロダクト系、サブカル寄りのZINEなど幅広いシーンにマッチします。
ウェイトのバリエーションが豊富なので、見出しから本文までトータルに組めるのも魅力。読みやすさとインパクトを両立したいときの鉄板フォントです。
Optima Nova(オプティマ・ノヴァ)

サンセリフとセリフの中間のような存在感を持つ独特な書体。エレガントで高級感のある印象を与えるため、
ブランドブック、ジュエリー系、文化系の冊子などにぴったりです。
Gotham(ゴッサム)

オバマ大統領の選挙キャンペーンで有名になった、モダンアメリカンフォントの象徴的存在。
親しみやすさと力強さを兼ね備え、ポスター、動画サムネイル、SNSバナーなど万能な書体です。
Akzidenz-Grotesk Next(アクチデンツ・グロテスク・ネクスト)

Helveticaよりも前に登場した“元祖グロテスク体”。その進化系であるNext版は、クラシックでありながら骨格がしっかりした理知的な印象。
タイポグラフィ好きな人、紙媒体のデザインをする人に特におすすめ。
これらのフォントはどれも、「フォントで迷ったらまずこれ!」と言えるものばかりです。
商業デザインの現場で使われ続けてきた理由が、使えばすぐに実感できると思います。
今話題!デザイナーの間で注目されているフォント
続いては、プロの間で今、特に話題になっているMonotypeフォントを紹介します。今っぽさを演出したい場面におすすめです。
Inter Variable(インター・バリアブル)

シンプルでクリーンなデザインが現代的で非常に視認性の高いサンセリフ書体。バリアブルフォントとして、ウェイトやスタイルを柔軟に調整可能で、ウェブデザインやUI/UXデザインなどデジタルプロダクトのデザインに幅広く対応します。
Aktiv Grotesk(アクティヴ・グロテスク)

モダンでシンプルなサンセリフ書体。コンテンポラリーな印象を与え、見出しやロゴデザインに特に適しています。強い特徴を持ちながらも、非常にバランスの取れたデザインです。
Interstate Mono(インターステート・モノ)

アメリカの高速道路標識で使用された書体をベースにした等幅フォントで、無駄のないデザインが特徴です。多くの企業やデザインプロジェクトで採用されており、その実績からも注目されています。
ウェブ業界の流行を意識して、特にウェブやUIデザインで多く使われている書体を選定しました。現代的なデザインのニーズに応えてくれそうです。
個人的に気になるフォント
ここでは、私が商業デザインやSNSなどで見かけて「これは好きかも!」と感じたフォントを紹介していきます。
Colfax(コルファックス)

現代的な幾何学サンセリフ。少し丸みのあるラインが特徴で、堅すぎず、かといって可愛すぎず、程よくクール。ブランディングや広告ビジュアルにちょっと個性を足したいときに重宝します。
FF Tisa Sans(ティサ・サンズ)

クリーンでモダンな印象を持つサンセリフ書体。視認性が高くて、ウェブデザインや印刷物で使いやすそう。異なる太さやスタイルを自由に組み合わせることができて、特に見出しや大きな文字に良さそう。
Geom Graphic(ジオム・グラフィック)

日本のアニメーションからインスピレーションを得た、スクエアで幾何学的なサンセリフ体です。ネオレトロなイメージのプロジェクトにぴったりそう。
今回の記事のまとめ
今回Adobe Fontsに追加されたMonotypeの欧文書体、本当に豪華でしたよね。
これまで別途ライセンスを買うしかなかった超有名フォントたちが、Adobe CCユーザーならすぐに使えるようになったのは、ちょっと感動レベルでした。
HelveticaやAvenir、DINやGothamといった“プロの現場でよく見るフォント”が普通にアクティベートできるようになったことで、どんな媒体もデザインの質が上がりそうですね。デザインの印象を左右するのって、やっぱりフォントの力が大きいんだなと改めて実感します。
中でも、UniversやOptimaみたいに「ちょっと上品」「ちょっと知的」な雰囲気を出せるフォントは、いざというときに引き出しとして持っておくと便利です。見慣れた定番こそ、安心して使えるし、伝えたい印象に寄せやすいんですよね。
フォント選びに迷ったときや、「ちょっとデザインに説得力が足りないかも…」って感じたとき、今回の追加フォントの中から選んでみると、スッとハマることが多いかも。
Adobe Fontsはアップデートが多いので、たまに開いてみるだけでも収穫があるのでおすすめです!
