デザインを制作する過程で、テキストのボリュームや見た目を確認するために仮のテキストを流し込むことがよくあります。いわゆるダミーテキストは、日本語の場合「テキストが入ります」や「テスト文章です」や「これはダミーテキストです」といった簡易的なものが一般的ですが、英文では「Lorem ipsum」が定番です。そこで本記事では、この世界的に広く使われている「Lorem ipsum」の由来や使い方を解説するとともに、日本語のダミーテキストや、デザインに適した新しいサンプル文の可能性についてもご紹介します。
ダミーテキストとは
ダミーテキストとは、デザインのプロトタイプやテンプレートにおいて、実際の文章が入る部分に仮置きするテキストのことです。テキストの内容よりもレイアウトやバランスを確認する場面で利用されます。
世界的に有名なダミーテキストが「Lorem ipsum」です。これはラテン語に基づく意味のない文章で、1500年代に印刷業者が活版印刷のレイアウト確認用に使用したのが始まりとされています。今日では、印刷やWebデザインにおいても広く活用され、テキスト量や配置の調整に便利です。
ダミーテキストの定番「Lorem ipsum」
「lorem ipsum」は様々なバリエーションがありますが、もっとも一般的なテキストは以下の文章です。
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以下、実際のデザインに流し込みやすいように「lorem ipsum」のボリュームを調整してみました。用途に応じてコピーして使ってみてください。
50文字の例
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100文字の例
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150文字の例
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短いテキストはロゴや小さなボタン用に、長いテキストはデザインモックアップやキャプション部分に適しています。
私は流し込むテキスト量にあわせて、文字を入れ替えたり「.」を加えたり適宜調整しながら使うことが多いです。
日本語のダミーテキスト
日本語のダミーテキストといえば、Macのフォント書体見本で表示される文章、「あのイーハトーヴォ・・・」が有名です。これは、宮沢賢治の「ポラーノの広場」の一節ですが、実際にこのテキストをデザインの流し込みに使っているかというと、使ってはいませんし、使われているところを見かけたこともありません。
はじめに少し触れましたが、日本語の場合は「テキストが入ります」や「テスト文章です」や「これはダミーテキストです」といった簡易的なものが一般的です。
新しい日本語テキストのアイデア
そこで今回はChatGTPに、宮沢賢治のイーハトーヴォに換わる書体見本に相応しい文章を考えてという無茶ぶりをしてみました。
それがこちらです。
静かな湖畔に映る、月明かりのシルエット。穏やかな波紋が描く、水面の詩。古の城、時を越えて語り継がれる物語。紅葉の絨毯を歩く、秋の午後。霧に包まれた山々の静寂。星々の光が瞬く、夜空のキャンバス。風に舞うさくらの花びら。春の訪れを告げる。雪の白いヴェールを纏う、冬の朝。
漢字と平仮名とカタカナのバランスが美しい文章が爆誕しました。
日本語のダミーテキストが必要なときは、ぜひこちらを使ってみてください!
この記事のまとめ
今回は、定番の「Lorem ipsum」と日本語のダミーテキスト、それぞれの特徴や使い方をご紹介しました。
仮のテキストを流し込む作業は、レイアウトやバランスを確認する上で欠かせない工程です。適切な書体とテキスト量を意識してダミーテキストを活用することで、デザインプロセスをより効率的に進めながら、完成度を高めることが出来ると思います。ぜひ参考にしてみてください!