文字を目立たせたり、オブジェクトに立体感を持たせたり、デザイン制作の中で、ドロップシャドウを使う場面は多いと思います。
特に広告クリエイティブやウェブデザインでは、ほんの少し影を入れるだけで見やすさや完成度が変わります。
ただドロップシャドウにもトレンドがあるので、使い方を間違えると、なんとなく古いデザインに見えてしまうことがあります。
そこで今回は、Illustratorを使って作る「今っぽいドロップシャドウ」と、「少し古く見えてしまうドロップシャドウ」の違いを、初心者さんにもわかりやすく解説していきます。
ドロップシャドウとは?





ドロップシャドウとは、オブジェクトの後ろに影をつけて立体感を出す効果のこと。
Illustratorでは、「効果」→「スタイライズ」→「ドロップシャドウ」から設定できます。
広告デザインでは主に、文字を読みやすくしたり、商品写真に立体感を与えたり、奥行きを与える、といった目的でよく使われます。
ドロップシャドウ2026年のトレンド

2010年代前半のスキューモーフィズムやWeb2.0系デザイン、初期スマホUI、情報量の多いバナー広告が主流だった頃は、「立体感」や「わかりやすさ」、「インパクト」を強調するデザインが重視されていて、黒く濃い影や、ぼかしが弱い影が多く使われていました。
ですが、2026年のドロップシャドウのトレンドは「柔らかくて薄い影」です。
このスタイルはニューモフィズムのトレンド以来続いていますが、とにかく「影を主張しすぎない」が今のドロップシャドウの正解デザインです。
特にコスメ、アパレル、ライフスタイル系の広告では、「空気感のある影」がマストなので、制作時には以下のポイントを抑えておくと良いと思います。
- 透明度を低めに設定する
- ぼかし広めにかける
- 距離短めにする
- グレー寄りのカラーシャドウ
古い印象になりやすいドロップシャドウ
1. 真っ黒な影

一番古く見えやすいのが、黒100%に近い影。
影が強すぎると、2000年代のウェブデザイン感が出やすくなります。
特に白背景では、影だけ浮いて見えることもあるので注意です。
改善ポイント

どうしてもドロップシャドウでインパクトを出したい!というときのおすすめは、黒ではなくグレーを使ったり、透明度の設定を少し下げたり、少し色を混ぜることで、古見えを回避できると思います。
たとえばコスメ系なら、ほんのりブラウンやピンクを混ぜるだけでもかなり今っぽくなります。
2. 距離が遠すぎる影

最近は「近距離の自然な影」が主流なので、オブジェクトから大きく離れた影も、少し古い印象になりがちです。
NG設定
- Y軸:10px以上
- 不透明度:70%以上
特にスマホデザインでは重たく見えます。Y軸は一桁、不透明度は20〜30%くらいに絞ると、ぐっと今っぽくなりますよ!
3. ぼかし不足

影の輪郭がくっきりしていると、硬い印象になって、これまた古いスタイルです。
2026年は、空気のように馴染むぼかしが人気なので、影そのものを見せるというより、立体感だけ感じさせるくらいがちょうどいいです。
今っぽいドロップシャドウ設定
ここでは、実際によく使う設定を紹介します。
おすすめ設定

- 不透明度:15〜30%
- X軸:0〜2px
- Y軸:2〜6px
- ぼかし:8〜20px
- 色:ダークグレー
“影”というより、柔らかい空気感を作るイメージです。
この設定はかなり万能なので、ぜひ覚えておいてください。
広告バナー、SNS投稿、LPデザインなど幅広く使えます。
それ以外にも、メリハリが欲しいなというときには、影を濃くする代わりに距離を短くしたり、色付きのシャドウを使うのもおすすめです。

特にZ世代向けのデザインでは、カラーシャドウが人気です。
商品カラーやブランドカラーで試してみてください。
Illustratorでの設定手順
1:オブジェクトを選択

まず影をつけたい文字や画像を選択します。
2:ダイアログを開く

「効果」→「スタイライズ」→「ドロップシャドウ」をクリックして、ダイアログを開きます。

プレビューにチェックを入れると、リアルタイムで確認できるのでおすすめです。
3:設定する

プレビューを確認しながら画像の数値を目安に設定してみてください。
不透明度
最近は“薄め”が正解です。
まずは20%前後から始めると失敗しにくいです。
ぼかし
「ぼかし」は今っぽさを左右する重要ポイント。
迷ったら少し大きめに設定してみてください。影の存在感が自然になります。
設定を終えたらOKをクリックしてダイアログを閉じます。
4:最後は縮小して確認
PC画面では良く見えても、スマホで見ると影が強すぎることがあるので、最後は必ず縮小表示して確認します。
これは現場でもかなり大事なチェックポイント。
5:完成

トレンドの柔らかくて薄いドロップシャドウの完成です。
現役デザイナーが実務で意識していること
ドロップシャドウについて、私が広告制作で影を入れるときに意識しているのは、「影をデザインしない」ことです。
どの媒体でも、「商品に自然な立体感を与える」「さり気なく文字を読みやすくする」「空気感を出す」くらいを目指しています。
特に最近は、加工感を減らす「引き算のデザイン」が好まれているので、だからこそ、ドロップシャドウも「盛る」より「馴染ませる」が重要です。
よくある失敗
影を全部同じ設定にしてしまう
初心者デザイナーさんにめちゃくちゃよくある失敗のひとつに、「影を全部同じ設定にしてしまう」ことがあります。
タイトルも商品画像もボタンも全部同じ影にしてしまうと、デザイン全体が単調になってしまうので、オブジェクトにあわせて強弱をつけることを意識してみてください。
例えば、主役に少し強めのシャドウを使い、サブ要素は薄めにするだけでも、メリハリあるデザインに仕上がるのでおすすめです。
特に広告デザインでは、「どこを一番見せたいか」を影でコントロールすることも多いので、すべて同じ設定にせず、役割ごとに調整するのがおすすめです。
白背景だけで確認する
実際には画像の上に載ることも多いので、背景が変わると影の見え方も変わります。
複数背景で確認すると失敗しにくいです。
今回の記事のまとめ
2026年のドロップシャドウは、「薄く」「柔らかく」がキーワードです。
特に今は、影を感じないくらい自然なのに、ちゃんと立体感があるデザインが人気です。
Illustratorのドロップシャドウは簡単に使えて少し設定を変えるだけで印象を大きく変えることができるので、ぜひ今回紹介したポイントを参考に、「古見え」しない、今っぽい空気感の影を意識して制作してみてください。



